2025年11月24日、沖縄本島北部での導水管破裂事故により、本島中南部を中心とする広い範囲で断水が発生しています。「自分の地域は対象なのか」「いつ復旧するのか」といった不安を抱える方に向けて、沖縄県企業局の発表や各自治体の情報を基に、現在の状況と今後の見通しを詳しく解説します。
【最新情報】沖縄本島広域での断水状況とニュースまとめ
2025年11月24日発生の大規模断水の概要
2025年11月24日未明、沖縄県企業局は沖縄本島北部の大宜味村塩屋において、ダムから浄水場へ水を送るための重要なパイプである導水管が破裂したことを確認しました。この事故による大規模な漏水の影響で、浄水場への送水が滞り、沖縄本島の中南部を中心とした17の市町村で断水が発生する事態となっています。これは生活インフラに直結する重大なトラブルであり、県民生活への大きな影響が懸念されています。
断水が発生する日時と開始タイミング（正午・夕方）
断水の開始タイミングは地域によって異なりますが、最も早い地域では11月24日の正午から給水が停止される見込みです。名護市より南の市町村のうち、宜野湾市と北谷町を除く多くの地域がこの正午からの断水対象に含まれています。また、名護市や本部町などの一部地域については、当初夕方17時頃からの断水が懸念されていましたが、その後の調整により状況が変化している場所もあるため、最新の注意が必要です。
現在の水道管修復状況と復旧工事の進捗
現在、沖縄県企業局と委託業者が現場での復旧作業に全力を挙げています。しかし、破損した導水管そのものの修復には時間がかかるため、現在は別の水路から送水できるようルートを切り替える工事が進められています。この代替ルートへの切り替え措置によって、断水の解消を目指している段階です。現場では道路が陥没するほどの漏水が発生しており、周辺道路の通行止めなどの交通規制も行われているため、復旧作業は慎重に進められています。
【地域別一覧】どの市町村が断水対象エリアなのか？
全域で断水となる11市町村（豊見城・うるま・読谷など）
今回の事故により、市町村の全域で断水が発生する可能性が高いとされているのは11の自治体です。具体的には、糸満市、豊見城市、うるま市、南城市の4つの市に加え、金武町、嘉手納町、西原町、与那原町、南風原町、八重瀬町の6つの町、そして読谷村が含まれます。これらの地域にお住まいの方は、生活用水の確保など早急な対策が必要です。
一部地域で断水となる6市村（那覇・沖縄市・浦添など）
市町村全域ではありませんが、一部の地域で断水が発生する見込みなのが6つの自治体です。県都である那覇市をはじめ、浦添市、沖縄市の主要都市、そして恩納村、北中城村、中城村が対象となっています。これらの地域では、お住まいの地区が給水制限の対象エリアに含まれているかどうかを、各自治体のホームページ等で個別に確認する必要があります。
【重要】沖縄市などで明暗を分ける「北谷浄水場系」と「石川浄水場系」の違い
沖縄市など一部断水の地域において、断水するかどうかの運命を分けているのが、どの浄水場から水が来ているかという「水系」の違いです。今回の事故で影響を受けているのは「石川浄水場」や「西原浄水場」から水の供給を受けているエリアです。一方で、「北谷浄水場」から給水を受けているエリアについては、今回の漏水事故の影響を受けないため断水は回避される見込みです。ご自宅の水道がどの系統に属しているかは、自治体が公開している配水系統図で確認することができます。
名護市・本部町・今帰仁村・伊江村の断水回避状況
当初の発表では断水の恐れがあるとされていた名護市の一部、本部町、今帰仁村の一部、そして伊江村については、その後の県企業局の発表により、断水の恐れはなくなったと説明されています。これらの地域にお住まいの方はひとまず安心ですが、水資源は貴重ですので、引き続き節水への協力意識を持つことが大切です。
断水はいつまで続く？復旧見込みと解消予定時期
沖縄県企業局による公式の復旧・解消見通し（25日午前以降）
多くの方が最も気にされている復旧の時期についてですが、沖縄県企業局は、早ければ11月25日の午前中にも断水が解消される見通しであると発表しています。これは、破損した管を直すのではなく、別の導水管への代替ルートをつくる工事が完了し、送水が再開される想定に基づいたスケジュールです。あくまで見通しであり、工事の進捗によっては前後する可能性があることを理解しておく必要があります。
自治体ごとの貯水状況による「断水開始・終了」のタイムラグ
県企業局からの送水が止まっても、すぐに蛇口から水が出なくなるわけではありません。各自治体が所有している配水池や、マンションなどの貯水槽に水が残っている間は使用可能です。そのため、実際に水が止まる時間や、復旧して水が出るようになる時間には、地域や建物の貯水状況によってタイムラグが発生します。企業局や自治体のタンクに十分な水があれば、断水開始時間が後ろ倒しになり、影響が最小限で済む可能性も残されています。
過去の事例から見る完全復旧までの流れ
過去の断水事例やインフラ事故のケースを鑑みると、まずは代替ルートによる「仮復旧」で断水を解消し、その後に破損した導水管の本格的な修理や交換を行う流れが一般的です。今回は道路陥没を伴う大規模な破損であるため、本復旧の工事には長期間を要することが予想されます。25日に水が出るようになったとしても、それは応急的な処置によるものであるため、当面の間は節水を心がけるなど、安定供給が完全に保証されるまでは慎重な水の使用が求められます。
今すぐできる節水対策と断水時の必須アクション
お風呂・トイレ・炊事での具体的な節水テクニック
断水期間中やその前後は、限られた水を有効に使うための工夫が不可欠です。トイレでは、大小のレバーを適切に使い分け、必要な水量を最小限に抑えましょう。炊事の際は、食器や調理器具についた油汚れをあらかじめ紙で拭き取ってから洗うことで、すすぎに必要な水を大幅に減らすことができます。お風呂に関しては、シャワーでお湯が出るまでの冷たい水を捨てずにバケツや湯船にためておき、散水やトイレの流し水として再利用することが推奨されています。
断水前にやっておくべき水の確保と備蓄方法
断水が始まる前に行うべき最も重要なアクションは、飲料水と生活用水の確保です。まずは清潔な保存容器やペットボトルに飲み水を確保してください。次に、お風呂の浴槽に水を満タンにためておきましょう。この水はトイレを流す際や、手洗いなどの生活用水として非常に役立ちます。また、洗濯機にも水をためておくことで、いざという時の雑用水として活用することができます。
エコキュートや給湯器の取り扱い注意点
オール電化住宅などで普及しているエコキュートや電気温水器を使用しているご家庭は、断水時の取り扱いに注意が必要です。断水中にタンク内の水（お湯）を使おうとすると、故障の原因になったり、復旧後に濁った水が機器内に流れ込んで不具合を起こしたりする可能性があります。断水が復旧した直後は、まず給湯器を通さない蛇口から水を出し、水が透明になったことを確認してから給湯器を使用するようにしてください。
なぜ断水したのか？原因となった大宜味村の導水管破損
大宜味村塩屋での導水管破裂事故と道路陥没の状況
今回の断水の直接的な原因は、2025年11月24日午前3時頃、沖縄県大宜味村塩屋の県道に埋設されていた導水管が突如破裂したことにあります。この破裂により大量の水が溢れ出し、現場周辺の道路では陥没が発生しました。現場の状況は深刻で、県道の一部が通行止めになるなど、交通インフラにも影響が及んでいます。名護署員が確認した際には、歩道の一部に穴が空き、土砂が堆積している状況でした。
1967年敷設の老朽化インフラが抱える問題点
破損した導水管は、1967年（昭和42年）に敷設されたものであり、設置から50年以上が経過していました。沖縄県企業局はこの事故の原因を、水道管の老朽化によるものとみています。法定耐用年数を大きく超えて使用されているインフラ設備は全国的な課題ですが、今回の事故はそのリスクが顕在化した形となりました。企業局長の宮城力さんも、老朽化が原因である可能性が高いとし、県民への陳謝とともに節水への協力を呼びかけています。
導水管・送水管・配水管の違いと今回影響が広範囲に及んだ理由
水道管には役割によって種類があり、今回破損したのは「導水管」です。これはダムなどの水源から浄水場へ原水を送る、いわば水道システムの「大動脈」にあたります。配水管が末端の家庭へ水を配る毛細血管だとすれば、導水管はその根本です。そのため、ここが破損すると下流にある浄水場へ水が届かなくなり、その浄水場から給水を受けている広範囲の市町村が一斉に水不足に陥るという事態を招きます。これが、一箇所の事故で本島全域に近いエリアが影響を受けた理由です。
公式情報の確認先・問い合わせ窓口（沖縄県企業局・各自治体）
沖縄県企業局の公式発表ページと緊急連絡先
断水に関する最も確実で詳細な情報は、沖縄県企業局の公式ホームページで随時更新されています。復旧の見込みや工事の進捗状況については、SNS上の噂ではなく、必ず公式発表を確認するようにしてください。企業局長の宮城力さんが緊急会見で述べたように、企業局は復旧に向けて全力を尽くしています。
各市町村の水道局・上下水道局のホームページ一覧
お住まいの地域が断水対象かどうか、給水タンクの状況はどうなっているかといった詳細な地域情報は、各市町村の水道局や上下水道局のホームページを見るのが最も確実です。特に「一部断水」の地域にお住まいの方は、ご自身の住所が対象エリアに含まれるかどうかを、市町村が公開する詳細な地図や住所リストで確認することをお勧めします。
給水車の出動情報や給水拠点の探し方
断水が長時間に及ぶ場合、自治体によって応急給水活動（給水車の派遣）が行われることがあります。給水車が来る場所（給水拠点）や時間は、各市町村の防災無線、ホームページ、公式SNSなどで告知されます。水を運ぶためのポリタンクや清潔な容器を準備し、自治体からの案内に注意を払ってください。
